日記

ジャニーズWESTを知ったその日から 愛の奴隷になりました

ザ・ビューティフル・ゲームをみたよ~

ザ・ビューティフル・ゲーム完走おめでとうございます!終わったからネタバレ……ということは特になく感じたことを殴り書いていきます。細かいストーリーや場面はなぞってなくて、見てる間や終わったあとにぐるぐる考えていたことなど。

 

ザ・ビューティフル・ゲームに触れるまで、北アイルランド問題について全く知識がなかった。

最初、たった50数年前の話だなんて信じられない!なんて思ったけど、2000年代まで続いていたらしい。同じ時代を生きていたのに、あまりにも無知だった。
正直なところ、戦争、紛争と聞くと昔のことだと感じてしまう。戦争=第二次世界大戦のことだという感覚がベースにあるように思う。世界を見渡せば、ウクライナ侵攻も解決していないのに。今もジョン、メアリー、トーマスたちのような思いをしてる若者がいるかもしれない。

芝居が観られる平和がありがたいなぁと思いつつ、そもそも何の争いもない世界だったらこの作品は生まれていないだろうから、矛盾した状況に頭も心もこんがらがった。
でも観劇中は、素直に、登場人物たちと共に喜び、悲しんだ。とにかく楽しく観ることができたのでそこは誤解なきよう。若い力迸るダンスや歌にワクワクが止まらないし、キャストそれぞれの熱演に胸打たれるわけです。(みんな才能にあふれすぎてる。日本の宝。)

超楽しい!かっこいい!かわいい!私にも歌わせてくれよ!ショートパンツの男たちは最高!!!!!!!

ロイド・ウェバーの曲はとてもロマンティックでキャッチーだった。あの演奏と歌声を聴きにもっと通いたかったな。スタンダードナンバーのような普遍的な美しさを持ちながら、曲によっては押し寄せる変拍子変拍子好き!アイリッシュ要素たくさんでたまらない!歌う人たちめちゃ大変なやつ!最高!フゥー!

そして高揚の中、はたと思い出すわけです。アイルランドの歴史を。アイルランドの音楽は好きだけど、そのきっかけは学生時代リバーダンスを演奏したことだった。リバーダンスは伝統的なアイルランド音楽、アイリッシュダンスを元にしたパフォーマンスだが、あの独特のダンスは、イギリス統治下で厳しい迫害を受けたことが背景にあるそうなのだ。その件に関しては16世紀ごろまで遡るので、今作の北アイルランド紛争とは別物だけれど、イギリスとアイルランドの問題は根深いんだと改めて感じた。そこでまた揺り戻しに遭う。

作品をただ楽しんでいるだけでいいのか?

私はのんきに芝居を見てあわよくば帰りに日比谷のパン屋で好きなスコーンを買って帰ろうとか、ミッドタウンでシャレたメシでもキメたろかと画策したり(食しかないんか)……メンバーが観に来てるからって休憩終わりギリギリまで後ろを振り返ってくる娘たちに苛立つような人間の小ささも露呈させ(感情の吐露にかこつけた吊し上げ)……本当にこれでいいのか?

でもこの作品が描くのは、凄惨な出来事だけじゃない。サッカーに明け暮れ、仲間とふざけ合い、恋に落ちる。それは当たり前に続くはずだった日常だ。それらが侵されようとしたとき、各々の立ち向かい方によって道が枝分かれしてしまったんだと思う。

では、もし私の生活が同じように荒らされてしまったとしたら? 芝居を観ること、おいしいものを食べること、こうやって自由にブログを書くこと。この平凡な毎日が奪われたとき、私はどうやって闘うのか。どんな立場に身を置くのか。そんなこと考えたって答えなんか出るわけないんだけど、考え始める地点に立ったことが自分としては大きかった。遠い異国の過去の話を観に行く感覚だったのに、結局は自分に立ち戻るのだ。あの日のベルファストの空と、いま私の頭上に広がる空はつながっている。

 

小瀧さんのお陰でまた新しい作品に出逢えましたありがとう。まっすぐな歌声、ジョンにぴったりだった。ジョンを演じられる人が見つかったから、今の日本で上演できたのだと、勝手に思っていますよ。あなたの舞台が毎年の楽しみなので、長生きできるようがんばりますね。

 

ミュージカル初心者なんだけど、歌い踊る人たちを観ると泣いちゃう人種なので、好きすぎる世界だなと改めて思った。生演奏も贅沢だった。演奏と歌唱の息の合わせ方とか今まで考えたことも無かったのだけど、本当に感激した。初めて観た回で(運良く2回拝見しました)、rit.がかかる箇所、オケとメアリーのrit.がピタッと合っていて、でもジョンは少しずれてしまっていたことがあった。(小瀧さん批判ではないです!)指揮も見えず、アイコンタクトもできない中でどうやって合わせてるの?! と衝撃だった。ミュージカル畑では当然のことなんだろうか。2回目に拝見した際はジョンもしっかり合っていたので、日々進化していることにさらに感動した。

次はオケピで演奏される演目も観てみたいな。今後もし、この人だ!と思うミュージカル俳優さんに出会ってしまったら最後かもしれない。後戻りできなそう。ミュージカル沼怖いよね。それはそうと木下晴香様の素晴らしい歌声がまた聴きたいです。晴香様……