日記

ジャニーズWESTを知ったその日から 愛の奴隷になりました

検察側の証人の証人!※ネタバレあり注意※

検察側の証人

9/2(木)マチネ 14:00開演

@世田谷パブリックシアター

 

ことごとくチケット運はなかったけど、探して探して、当たり前だけど定価で譲ってくださる心優しい方にお会いでき、観劇してきました。ありがとうございました……。

 

もう、シンプルに、やっぱり生の舞台は最高だった!理由は後述します。

あとこの回はものすごく静かでマナーも良かった。特に開演直前の2-3分なんて静寂っていうレベルで無音だったので眠くなりかけた。危ない。(賞賛)

原作は一幕だけ読んで行った。フォロワーのえーじゅちゃんに相談したら、それがいいんじゃないかとアドバイスしてくれたので。

結果、私には最適解でした!

えじゅりん本当にありがとう!

 

⚠️以下ネタバレ含みます⚠️

 

 

まず、今回私は2階席上手側でした。

双眼鏡は持って行って良かったと思うけど、でも遠いという感じは全くしなかった。

むしろ裁判を俯瞰で見るような形になったことが功を奏したのである!きゅぴーん

まるで屋根を取り払われたドールハウスのような、箱庭のような法廷。その中で登場人物たちがそれぞれの持ち場で仕事をしたり、各々の感情を発露させているのを同時多発的に見る。神の視点を得たようで愉快愉快。

わかりやすい作業や反応をせずとも、ずっとそこにいなければならないのが法廷劇なんだねぇ。(当たり前体操)

だからセリフの多い人はとびきり多いけど、終始黙ってる人もたくさんいるという構成。梶原善こんなにしゃべらないのかよ!

でも、ただいる。ただ聞いている。ということがすごく大切なんだと思う。それはそれで難しそう。他の演目でも同様だとは思うんだけど、特にそれぞれの役割が明白で、静粛な法廷だからオフでの会話芝居とかもそんなに出来ない中で空気を作っていくというのは特殊のように見えました。

 

特に今作で心震えたのが、裁判の冒頭でマイアーズが陪審員に語りかけるところ。客席へのセリフの投げかけが秀逸なんだ。

法廷劇ということも知っていたし、観客は陪審員さながら観劇するとわかっているつもりだったけど、それは本当に「つもり」でございました。

公開ゲネの取材会でのんちゃん(小瀧望)が、演出の小川絵梨子さんに

セリフはプレゼントだから相手にちゃんとあげないと」という言葉をいただいた

出典:【ジャニーズWEST】小瀧 望 主演舞台『検察側の証人』取材会|全文&写真レポ | Oggi.jp

と明かしていたけど、実際にそれを体験してしまったんです。マイアーズからしっかりセリフを渡されてしまった私は激しく動揺し、ちょっと泣きそうになった。(情緒よ)

裁判に関わる説明台詞で、特に感動するとかそういったタイプのものじゃなかったんだけど。

マイアーズ役の成河さんはインタビューで、

自分が陪審員として座らされてしまっている、そんな作品になるものを今まさに作っている最中です。

出典:成河インタビュー 舞台『検察側の証人』 「自分が陪審員として座らされてしまっている、そんな作品になる」 | THEATER GIRL

そう話していたけど、みんなで仕掛けを作ってるよって顔をしてインタビューに答えてたくせに、いちばんの犯人あんたじゃん!という気持ちになった。

それと役者って毎度こんなやり取りしてるのかと思うと信じられない気持ちです。こんなこと続けてたら正気じゃいられないよね。怖い。

ま、アガサ・クリスティもめちゃくちゃおっかないけど。

本の中だけならどんなトリックも実現できるけれど、実際に上演するとなったら役者の演技力がトリックの主軸になってくるという恐ろしさ。見終わってわかる瀬奈じゅんさんの重責!怖ぇー!でも本当に素晴らしかったです!

ローマインが化けた謎の女を取り次ぐ際にカーターがひと笑い入れたのも、観客の意識を散漫させるテクニックだったのかな?あそこすごく笑っちゃったからなんか悔しいです。ウィルフリッドとメイヒューのおじさん2人組のおかしみも相まって、してやられた!

 

そしてレナードですよ。小瀧望

原作の冒頭を読んだだけでも合ってそうだと思ったけど、本当に合ってた 笑

一幕の中だけで、人好きのする爽やかな青年ぶりとか、バカじゃないだろうけどそこまで賢くもないチャーミングさを印象づけないといけない。難しい役だけど、さすがでしたわ。信じちゃうよねー。ワンチャンのような瞳で訴えかけないで!あとストロベリーブロンドガールが登場したときの表情が最高だったから、もし映像化されるようなことがあったらちゃんと抜かれててほしいなー!ワクワク

 

ラストは、伏線が回収されたとか、謎が明らかになったとかそういうことじゃなく、ローマインもレナードもめっちゃ人間じゃん……というところで物語が閉じたように思う。彼らが何を考えてるかわからないというのが一番の謎で、誰がフレンチさんを殺したのかというのは(私にとっては)あまり問題じゃなかった。レナードの考えをもう少し聞きたかったとも思うけど、まぁ行き当たりばったりに行動し、天然で誰にでもよい顔をしてしまうたちの人なんだろうな。(ローマインに裏切られた後でも彼女の身を気遣ったり、そういうのも嘘じゃないんだと思う)

パンフレットの鼎談では、レナードが戦争に行ったことも大きく影響してるのではという考察も明かされていて、なるほどと思いました。アメリカのドラマとかでもアフガンから帰ってきた元兵士たちの闇とか描かれることが多いから、そういうこともイメージの助けにしたり。とはいえ共産圏から来た外国人に対する当時のイギリス人の反応が今の日本に皆無な空気かと言ったらそんなこともないから、対岸の火事ではないんだよなぁ。

それとローマインの賢さと献身には舌を巻くものがあるけど、同時に人が人を信じるフローを目の当たりにして、自分が物事を信じる指針が正しいのかどうか不安になった。マイナスにマイナスを掛けてプラスにしていくような計略に私もどこかで引っかかってるのかもしれない、とか。

いつの時代も人間は人間で、どんなに時を経ても特段変わってないのだと思い知らされる。人間の変わってなさ加減に落胆しつつ、物事の真理を描ききった当時の芸術家たちの聡明さに圧倒される。

 

ちなみに私が観た回は細かいセリフのミスが全体的に結構多くて休演日明けだからか?とか思ったけど 笑、それも含め生きてる舞台という感じがして楽しめました。嫌味じゃなく!アセアセ

小瀧さんは休演日も休みじゃなくてアイドルしてると思うんで、相変わらずJはすげえなと思います……。

 

大千秋楽まで無事に、日々お芝居の歓びを味わえますように。